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2025/12/09

令和7年10月分「毎月勤労統計調査(速報)」公表のお知らせ

厚生労働省より、令和7年10月分の「毎月勤労統計調査」(速報)が公表されましたので、賃金動向の概要を整理してお知らせいたします。

1.名目賃金の動き
令和7年10月の現金給与総額(名目賃金)は、調査産業計(事業所規模5人以上)で前年同月比 2.6%増 となり、46か月連続の増加 となりました。
規模別・属性別にみると、概ね次のとおりです。
・事業所規模30人以上:前年同月比 3.0%増
・一般労働者(フルタイム):前年同月比 2.7%増
・パートタイム労働者の1時間当たり給与:前年同月比 3.3%増
企業規模や雇用形態を問わず、名目ベースでは賃金の増加が続いている状況がうかがえます。

2.実質賃金の動き
一方で、物価動向を踏まえた 実質賃金指数 は、消費者物価指数の上昇の影響を受け、前年同月比 0.7%減 となり、10か月連続のマイナス となりました。
名目賃金はプラスで推移しているものの、物価上昇分を十分に上回るところまでは至っておらず、実質的な賃金水準としては依然として厳しい状況が続いているといえます。

3.企業の賃金・人事制度運用への示唆
今回の結果からは、
・名目賃金は増加傾向が続いていること
・しかし、実質賃金はマイナスが続いていること
の両面を踏まえた賃金・手当設計や人件費管理が求められる状況にあると考えられます。
特に、
・物価上昇を意識した賃金・手当(ベースアップ・物価手当 等)の位置付け
・正社員とパートタイム労働者等との 同一労働同一賃金 の観点からみた待遇差の点検
・人件費負担と人材確保・定着のバランスを考慮した昇給・賞与の運用
などが、今後も重要な検討テーマとなるものと思われます。

(出典:厚生労働省「毎月勤労統計調査 令和7年10月分結果速報」)